偽装世界

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 帰り道、コンビニの肉まんを頬張りながら星空を見上げた、ゲームの中と同じ様にこの星の何処かには魔法がある世界が有るのだろうか? 「んなアホな」  こんなゲームの世界一とかでは無く一流の研究者として名を馳せたい、まぁ大学にいるうちは「地球」と名付けたサーバーの研究漬けだろうけどな。  ふふっ  と、自虐にも似た笑いが出て視線を落とした時視界の端に蛍光色の灯りが見えた「何だコレ?」電柱に巻き付けてある黄色と黒のプラスチックのカバーの内側が光っている、近付いてよく見ると蛍光色の中に小さな0と1がハッキリと浮かんでいる。 「な、なんだコレ!?」  段々と光は広がり、自分の体を含む視界の全てが0と1に覆い尽くされた。  この光景は見たことがある、そうだ、仮想空間で世界をデータとして見た光景とそっくりだった。 「あれ?SOGの中?」  何気なく左手を前に突き出した、手の周りの空間に0と1が浮かび上がり、手の先に集まって行き無数の0と1が揺らめいている、ゲームの中でやったように意識して視点を合わせると蛍光色の世界は元の世界に戻った、そして、左手の先に炎が浮かんでいる。 「あれ?これ現実だよな?」  魔法が使えるようになってる!ゲームのアバターに上書きされたデータが現実に転用されている! 「凄ぇ!!」  今はまだ小さな炎を出すだけだけどレベルを上げてデータを改ざん出来るようになれば他の魔法も使えるかもしれない。 「あれ?」  でも何で現実世界の風景も0と1のデータが見えたんだ? 「…俺もデータなのか?」  全てを理解した俺の頭に声が響く…。 『あ〜、またバグだよ』               終
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