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翔平と親しくなるにはどうしたらいいだろう?
今までの恋愛経験が全く役に立たない。男を相手にしたことなんかないからどうしたらいいか分からない。
それに翔平の弟、〝たっき〟が気になる。
家の中でも特に距離が近い。恋人という訳ではなくても弟の立場を利用していつ翔平に手を出すかわからない。念の為にとたっきの部屋を覗き見しても、部屋に一人のたっきはずっと机に向かってるだけで何も動きはない。
調べてみればあれは有名大学へ通う彼の当たり前の努力のようだった。俺よりも良い大学だな、とは思ったけれどそれ以外興味はなかった。
特定の相手がいないのはつけてみてわかったし、うっかり間合いを詰められて焦ったこともある。これ以上たっきを調べるのはリスクばかりでなんのメリットも無いから止めた。
翔平へ手を出さないならそれで構わない。
その内に、アイツを見かけるようになった。
幸村耀。
翔平の弟という立場になるんだろうか?
家へ向かう翔平の後を話しかけるでもなくついて歩いていることに気が付いた。家が同じなのだから向かう方向が一緒なのは当然。たっきの距離感が異常なだけで、耀の方が普通の兄弟の距離感のような気もした。
でも、翔平が寄り道をするとアイツも近くで時間を潰す。
俺もつけていなければ気が付かなかった自然さで翔平の後ろをつけていく。護衛かなにかのつもりだろうか?
もしかして俺のことに気が付いたのだろうか?
だとしたら、早く翔平と付き合わなければ。家族に誤解されるのは良くない。
俺は翔平の恋人になってあげないといけないんだから。
運が良い。
昼飯に寄った店で翔平の会社の連中が新年会の話をしているのを聞けた。開始時間と店の名前。二次会の店まで知る事が出来たのは大きい。
それもこれも翔平の会社の連中がよく昼飯を食べている好きでもないSNSに載ってそうなカフェへ足繁く通って、翔平の話題を少しでも拾えないかと努力した結果だ。
努力が実を結ぶのは良い。
翔平は控えめで少し押しに弱い性格をしてるから、一度ホテルにでも入ってしまえば俺を受け入れるはずだ。
保守的な翔平が恋人を作るのはそれくらいのインパクトやきっかけがなければ無理だから、少々良心は咎めるが翔平の為なら仕方が無い。
俺は翔平が素直になれる薬を手に入れて、その日を指折り待った。
どうしてこうなった?
おかしい。
どうして?
アイツは家を出ていたはず。
どうして?
どうして?
お前は目立ちたがり屋の女好きだろう?
なんで邪魔をする?
なんでお前が翔平に手を出す?
どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?なんで?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?なんで現れた?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?なんで上手くいかない?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?なんで俺が邪魔される?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?お前がなんで翔平を押し倒す?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?お前は女をはべらしてるタイプだろ?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?でも、翔平はお前から逃げた。どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?逃げたのは家族に見られたから?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?気持ち良さそうな顔をしていた。どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?知らない。どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?他の家族にみせる顔と違う。どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?アイツ相手にどうしてあんな顔をする?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?翔平と恋愛をするのは俺だろ?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?その顔を見せる相手は俺のはずだろ。どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?有り得ない。どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?それは兄弟だろ?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうしてその相手は俺じゃない?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうし………………
そうか。
恋愛には障害が付きものだからな。
早く迎えにいってあげないと。
そうだ。
離れているからいけないんだ。
一緒に住めばいい。
会社だって近いんだから、俺の家から一緒に通えばいい。
最初は急なことに混乱して素直になれないかもしれないから、不本意だけどしっかり教えてやらないといけないだろうな。
仕方が無いから翔平の為に拘束具を手に入れた。
俺にはそういう趣味はないからこんなものは家になかった。
元々興味も無いし必要も無かったけれど、それが今必要ならば何だって用意するし、快適に過ごせるようにする。
なぜなら俺は翔平の為なら努力は惜しまない。
忘れずに翔平が気に入ってつけている香水の瓶も用意してある。
あとは、翔平をこの部屋に迎えるだけ。
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