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***** 『いらっしゃいませ~』 『あ!ヒナちゃん』 『あ、どうも~』 『久しぶり。戻って来たんだ』 『はい。また、よろしくです♪』 シンと会った日 つまり直紀と別れた日・・・の 翌日には バーのウェイターに復帰した。 マスターもウェイター仲間も そして、かつての常連さんも 辞めてから半年以上 経ってたのに 覚えててくれて大いに歓迎された。 今日も色んなお客に呼ばれて 〝おかえりの乾杯〟して (もちろん奢りで♪) いい感じに酔っぱらってきて 気分は最高♪ 『ヒナちゃん』 ───と、そこへ 声をかけてきたのは・・・ 最近よく来ては 俺に熱い視線を送ってくる 中年の男性客。 『こんばんは。  今日のお相手は決まった?』 この店は トラブルさえ起こさなければ 客と寝てもOKだったりする。 もちろん合意のうえ前提で。 もしも俺たち従業員が 危ない目に会えば マスターから恐ろしい制裁がある・・ってのが周知の事実なので あまり深く考えずに 相手が見つかるのも この店のいいところ。 『え~?えへへ~  今日は まだなんです~』 『へぇ?僕なんかどう?  ずっと誘いたかったんだよね』 『えー?そうなんですか~?  んー、どうしようかな~。』 正直、顔は あんまり タイプじゃないんだけど でも、まあ 見た目じゃ セックスの 善し悪しはわかんないし 実はすっごい テクニシャンかもしれないし・・・ ん~ どうしよっかな・・・ 『ヒナちゃん今 お友達の家に  居候してるんでしょ?  僕の家なら・・  いつでも好きな時に来て  好きなだけいてもらっても  構わないんだけど、どう?』 『・・・・・え?』 『ヒナちゃんは  何にもしなくていい。   僕が全部、面倒みてあげる』 『え・・・・・  え?全・・・部?』 『そう、全部。  衣食住、保証するよ』 『・・・・・・』 ───おお。 それは・・・ なんと 美味しい話でしょうか。 シンの家も居心地いいんだけど そろそろ 他の居場所も何個か 確保しておきたいって おもってたとこなんだよね~ シンだって 彼氏を呼びたいだろうし 『とりあえず今日シてみない?』 『・・ん~・・・』 どうしようかな・・・・ 戻ってきて何人か客とヤったけど なーんか不発なんだよな・・・・ でも・・・・ この人、手慣れてそう 今までヤった事ないタイプだから もしかしたら・・も、あり得るし 美味しい話も エッチしてから決めりゃいいか 『・・・うん。いいですよ?』 『よし、決まり。  終わるの0時だっけ?』 『はい』 『・・・・じゃあ、後で。』 『はーい、後で』 よっしゃー! いいカモ、ゲットだぜ!! 戻ってきてよかった! その時の俺は、浮かれて なにもかもが うまくいっているって そう 思い込んでいた。
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