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 警察病院の遺体安置所。その簡易ベッドに、悟は横たえられていた。  篤志は1人、隣りに立つ。  「悟。こんなことになる前に、会えていれば良かった……」  顔に乗せられていた白い布をとり、彼の顔を見つめる。  安らかな表情だった……。  ふと、竜ちゃんのことを思い出した。願いを叶えてくれるというのなら……。  「竜ちゃん、篤志だよ。悟を蘇らせてくれ。頼む」  薄暗い安置所の一角に光が射し始めた。それは次第に大きく広がり、その中に小さな影……間違いない、あの頃と同じ姿の、竜ちゃんだ。  「久しぶり、あっくん」竜ちゃんが言った。声も変わっていない。「でも、ごめんね。残念だけど、一度死んでしまった肉体には、魂は戻せないんだ」  そんな……。  愕然とする篤志。  竜ちゃんの瞳から、涙がこぼれ落ちているようだった。  悟……。  篤志はその場に崩れ落ちるように膝をつき、声をあげて泣いた。  竜ちゃんはずっと、見守ってくれていた。  ひとしきり泣くと、篤志は顔を上げる。そうだ……とあることを思いついた。  「竜ちゃん、俺の願いを言うよ」  必死になって話す篤志。  それを聞くと、竜ちゃんは優しく微笑んだ。
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