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 「卒業おめでとう、さとるくん、あっくん。おら、2人と一緒にすごせて幸せだったよ」  竜ちゃんは満面の笑みを浮かべながらそう言った。  その前に立ち、悟とあっくんは顔を見合わせる。  「竜ちゃんも卒業じゃないの?」  「おらは、この学校の生徒じゃないし」えへへ、と頭をかく竜ちゃん。「竜宮の世界には学校はないからね。こうやって2人が卒業するまで一緒に遊んだりできて、楽しかった。だから、お礼に贈り物をするよ」  「贈り物?」  「うん。でも、形はないんだ。一度だけなんだけど、この先2人が何かすごく欲しいものができたり、してほしいことがあったりしたら叶えるよ。何年先でも、大人になってからでもいいよ。心の底からおらのことを呼んでくれたら、その願いを必ず叶えに来るから。じゃあ、今まで本当にありがとう」  そう言い残して、竜ちゃんは光の中に消えていった。  贈り物、願い……。
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