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 やっぱりあれは、子供の頃の幻想だったのか?  「私ね、その話を聞いてから、ちょっと調べてみたんだ。篤志、子供の頃静岡の浜松のあたりに住んでいたんだよね?」  「ああ、そうだよ」  頷く篤志。真面目に話し出す彩名を見つめた。彼女は大学で民俗学を学んでいた。各地の民話などに詳しい。  「もしかしたら、竜宮小僧かもしれない」  「竜宮小僧?」  「うん。ほら……」  彩名は、テーブルに置かれたタブレットを操作した。モニターを見ると、何か昔話でも紹介しているようなサイトだった。
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