想いと約束

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夢を見た。 遠い、遠い、昔、まだ私が人間で吸血鬼に目覚めない頃。 高校の制服を着た私と夏穂ちゃんが、何処かの河原の近くにあるベンチに座っていてお喋りをしている。 「ねぇ、結衣ってば、まだ、あの小さい頃の初恋の人を忘れられないの?」 あどけない顔をした夏穂ちゃんが私を見る。 「顔までは、どうしても思い出せないけどね。声は何故か記憶に残っているんだ。とても、とても優しくて聞いているだけで安心する。」 「そうなんだね。いつか記憶が戻って、もし、初恋の人に会えるとしたら告白する?」 にやにや笑う夏穂ちゃんに、思わず顔が真っ赤になる。 「ま、まさか。相手はきっと大人だよ?あれから何年経っているかわからないし、もしかしたら結婚しているかもしれない。」 「そっかぁ。ねぇ、結衣。」 「ん?」 「いつか彼氏が出来て、私にも彼氏がいて、それで結婚とかなってもずっと親友でいてくれる?」 「もちろんだよ、夏穂ちゃん!!」 「本当に?!」 「絶対に。約束しようよ!!これは、私と夏穂ちゃんの大切な約束。いつまでも、いつまでもずっと親友でいますように。」 隣にいる夏穂ちゃんを思いっきり抱き締める。 離さないように、例え何かあったとしても。 私は大好きな夏穂ちゃんからは離れない。 大好きな、大好きな、大切な親友だもの。
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