6 走れ、なずな!

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松丘、今日休みだって。 と昼休みに牧生からの報告を受けた途端に、なずなの体は職員室に向かって走り出していた。 でもどんなに駆けつけたい気持ちが強くあっても、勝手に早退なんかできない。 ママに報告が行って、面倒なことになるだけだ。 永遠とも思える放課後までの時間を一人、学校で過ごす。 話しかけてくる者もないから、本当に一人だ。 でもよくよく考えたら、勉強中は一人だし、別に友達がいなくとも、何かを言われていようとあまり関係ないなと気づいた。そう思うと、あれほど苦痛だった「孤独」も気にならず、全ては自分の在りようで変わるのだとまざまざと思い知る。 5時間目の終業のチャイムと共に、ランドセルを掴んで教室を飛び出した。 「なずな!松丘んとこだろ?俺も行くよ!」 背後で牧生の声が聞こえたので、くるっと振り返って 「大丈夫!牧生は来なくていい!」 と断って、また踵を返した。 早く早く、松丘のところへ。 こうしている間にも、松丘は――。 まさかそんなことない、そうでないと思いたい、そんなことあるわけない、でももしかしたら…。
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