7 なずな、真実を識る。

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松丘が、ふいに握られた手に視線を落としたあと、まっすぐになずなに向き直った。 ボサボサの髪、だけど凛とした、松丘の美しい瞳。 なずなは少し汚れてしまったランドセルから、ジッパー付きのビニール袋に入れた例のハンカチを取り出して、差し出した。 「これ……」 「ずっと返そうと思ってて……返しそびれてた。ごめんね。」 なずなは息を深く吸った。儀式のように。 「里帆、生理用品……買えてないんじゃない?」 松丘は、一瞬止まったのち、差し出されたハンカチをおずおずと握りしめて、そして――下を向いた。 『あのさあなずな……あんたさあ。……生理始まったの?ちゃんとママに言った?』 昨日姉ちゃんは、眉を寄せてそんなことをなずなに言った。 『……なんでそんなこと言われなきゃなんないのよ』 姉ちゃんの方を見ずにつっけんどんに返す。 まだ初潮が来ていない、と言うのはなずなにとって恥ずべきことだった。イマドキの小六女子は大半がもう()()()()()()、もはや来ていないのは少数派……な気がしている。あくまでイメージだけど。
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