7 なずな、真実を識る。

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『あんたの机の上のハンカチ?見ちゃったのよ。あーいうのは汚いよ。血液は一番汚いんだからね。』 姉ちゃんが珍しくグイグイとくる。 ママが話しかけても、パパが話しかけてもすぐ怒るから、なずなが話しかけてるのにやっぱり怒る、超一級品の扱いづらい姉ちゃんのくせに。 『……ハンカチ?あれは……』 と言われて、ようやくピンと来た。 あれは、松丘の。 あれ?そしたらあれは……。 すらりと背の高い松丘。 大人の自転車を乗り回してる松丘。 コウムインになりたい松丘。 『姉ちゃん!頼みがある!』 なずなはもう一度ランドセルを開け、中からマスキングテープで封をした紙袋を取り出した。 「これさ、生理用品。」 姉ちゃんがなずなの『仮説』を聞いてさっさと用意してくれた。 何かのおまけでもらったという未使用のポーチ付きだ。 姉ちゃんは他人にはどこまでも優しい。 「あたしの勘違いだったらごめんだけど――ずっと……辛かったんじゃないかと思って――」 松丘は何も言わない。 でも、力無く膝に置かれたハンカチに、ぽつ、ぽつと雫が垂れていて、彼女が初めて泣いていることを知らせる。
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