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なずなは他クラスの牧生や松丘と親しくする一方で、ずっと孤立していた自分のクラスで(メイヨのコリツなの、となずなは胸を張っていたが)だんだん、チラホラと話せる友達が増えてきた。特に何もしていないのに。本を読むのが好きだったり、テレビやyoutubeやスマホだけじゃない話ができたり、時には外でのびのび遊ぶのが好きな子達だ。
「媚びないなずながかっこいいって思ったんじゃない?その子達。」
カサカサに乾いた落ち葉を順番に踏み締めながら歩く帰り道、松丘がからかうように言う。頬に触れる空気がひやりとつめたい。
「コビないってなんだっけ?」
と首を傾げるなずなに、
辞書引け、と牧生が無表情で言う。
牧生はちょっとだけ背が伸びた。気がする。
なずなは、足が大きくなったと思っていたけど、あれは走りすぎて靴に指が当たっていただけで、まだまだちびっ子だった。まあいいんだけどさ。
去年買ったラブリセの秋服、また着られるし。
途端に、電球マークが頭でぴかっと光る。
「あ!わかった、しゃんとしてぴんとしてる、みたいな?」
と返すと、二人は
「だいたいあってるー」
と示し合わせたかのように声を上げる。
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