三に愛されし男

『他にも、三階の物置きを改装した部屋で「太陽が近いんだよね」と笑った三武郎。不満は言わないことを約束に、部屋を作ってもらったらしいですね。僕は夏が苦手なのですが、暑さを感じるときは、あの言葉と笑顔を思い出しています。
　三年かけて卒業した二年制の専門学校。体調を崩して休学していたけど、がんばった甲斐がありました。なんと、就職氷河期の氷が溶けた直後の卒業になったのです。あれはもはや奇跡です。
　三年間働いた最初の就職先は、とても厳しい職場でした。それでもギリギリまで体を酷使して、転職した甲斐がありましたね。
　そんな三武郎も、今は課長職。上から数えて社長、部長の次にあたる三番目、ピッタリのポジションです。
　三月の結婚のあとは三つ目の職場へ転職。ヘッドハンティングなんて、うらやましい限りです。
　ここまで、一体いくつ三にまつわる幸せを話してきたのでしょうか。やっぱり三武郎は三に愛されし男です。
　そう言えば、今回もどうやら三回目のプロポーズで、ようやく結婚指輪を受け取ってもらったらしいですね。
　お相手は可愛い子どもを二人も連れた素敵な女性。
　二人にとって初めての子どもは、新しい家族にとっては三人目になりますね。
　どこまでも三に愛されし男、三武郎。
　どうかこれからも末永く』