降り積もるUFOの山を見ながら

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 今日もまた空からは、UFO(ユーフォー、未確認飛行物体)が降り続いていた。  私は希望に満ちていた。様々な訓練を受け『UFO.Catcher(ユーフォー.キャッチャー)』の資格を取り、ようやく今日初めての現場に向かっていた。  最初のUFOがここ日本に不時着したのは10年ほど前。私はまだ小学生だった。  その当時は宇宙人の侵略だの、世界の滅亡だの大騒ぎだったが、着陸したUFOからの攻撃はなく、静かなものだった。  攻撃はないもののUFOは定期的に宇宙から着陸し、日本の大地をえぐっていった。  今ではえぐられた大地には所狭しとUFOが降り積もり、さすがにこれはまずいと政府はUFOの撤去作業に踏み切ったのだった。  クレーンでUFOを引き上げ、解体するという単純とも思える作業であったが、何が起こるか分からない危険な作業だし、いつ宇宙人に襲われるかわからない命懸けで威厳のある仕事だと、私はすぐにこの仕事をしたいと希望したのだ。
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