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転生。
「…っ!!!どうしてっ?」
今日は12月24日。俺こと山嶋 風太26歳は、彼女の浮気を目撃していた。用事があるからと言って俺からのクリスマスデートは断ったのに、他の男と一緒にいたのだ。
「柚菜!おいっ!」
俺は彼女の小井垣 柚菜に呼びかける。
「あら?風太!?」
「あら?、じゃねーよ!お前!どーなってんだよ?これは!」
「あーぁバレちゃったか。私、この人と付き合ってるから」
そう言って男の腕に抱きつく。
「は?いやおい、俺がいるだろ?」
「だって、アンタ、言うほどお金持ちじゃないし、身長低いし、第一、顔がタイプじゃない!」
「いやっ!だってお前…俺が告ったとき、私も好きですって…」
「まぁーだそんな昔のこと信じてたの?」
「同情よ!同情。しょーがないから付き合ってあげてただけ。とにかく!私はこれからこの人の彼女だからもう連絡もしないでね」
そう言って二人で歩いていく。相手の男は高身長で、イケメンで、体型からおそらく、バスケのプロ選手だ。
━1時間後━
「くそっ!所詮女は顔か、金しか見ないのかよ!!」
俺は車の中で嘆きまくっていた。目の前が赤信号だとも気付かないで。
「っ!?しまっ…!」
俺が気付いた頃にはもう遅かった。
キキィー!!ドォォォォォォォォォォォン!
あーあ。ぶつかった。俺の車が空を舞い、地面に叩きつけられる。俺……死ぬのかな。ほんとにしょうもない人生だったなぁ。せめて、来世ではリア充にならせてくれないかな。たった一人できた彼女にもフラれてさ、やな人生だったよ………………。
『身体を作成中。必要な魂を確認しました。』
なんだ…この声…………
『転移させます。』
……もうどうでもいい。…………早く………死な……せて……くれ……………………………
「オギャアオギャ」
オギャア?誰の声だ?ってか俺、死んだんじゃ…。って!なんじゃこれぇぇぇ!!!
何がおかしいって?俺の身体が赤ちゃんになってんだよぉぉ!
「ドズルード様、どうなさいますか?」
「決まりは決まりだ。第19王子以降は王子として認められぬ。事故として亡くなったことにしよう」
「了解でございます。」
「父上!!」
「おぉー!ルウト!ちょうど良かった。これを裏の川に浮かべてこい」
そう言って俺が差し出される。
「いいのですか?」
「決まりだ」
「分かりました」
ってちょっと待って。俺、捨てられそうになってる?
「残念だったな。まぁ、おたっしゃで!」
ニヤニヤ笑いながら俺の入った籠を川に浮かべる。おいっ!助けてくれよ!
「オギャッオギャッ!」
だめだー!声がでねー!流されるー!
こうして、俺は転生してすぐピンチとなったのだった…………………。
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