『おめでとうございます』

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 金髪美少女は少し呆れた様子でため息をついて口を開く。 「わたしはミカエル。その様子とモイライの皆さまからは何も聞いていないのね……」  呆れとも諦めとも取れるため息をつきながら、美少女――ミカエルはそう言った。 「転生後のサポート役に選ばれたのがわたしよ」 「ミカエル……天使さま!?」 「そう、大天使のミカエルよ。でも、ここではただのミカエル。ルームメイトとして接してね」  大天使ミカエル――女神シリーズの案内役の1人だった。 「ルームメイト?」 「ここ、王立魔法学園のルームメイトよ」 「うそっ――」  何でミカエルが同じ部屋にいるのかをようやく理解する。  ここは、女神シリーズの――『王立魔法学園の女神候補生』の世界だ。 「本当に転生したんだ……」  頭を殴られたような強いめまい。  同意していないのに、勝手に人を転生させた運命の女神たちに対して恨み言が出そう。 「御愁傷様です」  ミカエルは淡々とした口調でそう言った。  彼女に与えられた役割がゲームどおりなら、私が女神候補生のヒロインを女神にするまで一緒に行動することになる。  まだ始めてすらいなかったゲームの世界で私はうまくやっていけるのか。  不安を胸に抱えながら、悪戯に笑っているであろう女神たちを呪った。
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