『おめでとうございます』

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 悩みながらスマホを弄くるが、なかなか決まらない。  仕方ないから、攻略サイトのレビューを見て判断しようと『王立魔法学園の女神候補生』とゲーム名で検索した。  一番上に出ていたサイトをタップすると、ホームページ画面が現れる。  女神の部屋というホームページ名の下に「おめでとうございます!」と大きく表示されていた。 「へ?」  なにこれ――そう思った瞬間、私の意識が途切れた。 ▽▲▽ 『ようこそ、女神の部屋へ』 『おめでとうございます』 『あなたは10000人目の来訪者』  目の前には3人の女性。  部屋と言うには何もない場所。明るすぎるほど眩い空間に、彼女たちと私以外は何もない。 「え、なに? ここどこ?」  キョロキョロと辺りを見回しても白く眩しい空間が続いているだけだ。  理解が追い付かない私の前に、3人の中でも一番年上に見える女性が近づいてくる。 『私たちは運命の女神であるモイライ。長女のクローソーですわ』  モイライ――運命の糸を紡ぐクローソー、運命の糸の長さを測るラキシス、運命の糸を断ち切るアトロポスの3女神のことは知っている。  知っているけど、詳しくはない。名前と役割がわかるくらいだ。
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