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『おめでとうございます』
私、樋口望愛は平凡な女子高生だった。
成績は普通だし、運動神経はどちらかというと悪い方だけど、物凄く悪いわけじゃない。
両親は共働きで、私はいわゆる鍵っ子だ。
兄弟はいない。
趣味はゲーム。剣と魔法の王道ファンタジーなロールプレイングゲームが特に好きで、スマホのホーム画面は話題のゲームアプリのアイコンが埋め尽くしていた。
今はまっているゲームは『女神シリーズ』という、女神候補生のヒロインを女神に覚醒させ世界を救うロールプレイングゲームの最新作だ。
このシリーズは3作目で、今回は王立魔法学園が舞台となっている。
主人公は男女どちらかを選ぶことができるのだが、それは前作までと同じ仕様。
今作から新たに追加になった要素として、案内役のキャラも選べるようになった。
4人の天使のうち選ばれた1人が主人公の友人としてゲームの攻略を助けてくれる。
女主人公を選べば、天使も女の子に。男主人公を選べば、天使も男の子に。
性別選択で主人公のビジュアルだけでなく、天使のビジュアルも変わる。
また、選んだ天使によって主人公の得意魔法の属性が変わるという新しいシステムだった。
「悩ましい……」
アプリをダウンロードした私はどの天使を選ぶか迷っていた。
好きな属性を選ぶか、好きなビジュアルの天使を選ぶか。
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