交差

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交差

好きという言葉は、短くて簡単だ。でも詰め込んだ思いが大きすぎて、いつも喉につかえてしまう。隙間から漏れる細い息はぬるい空気と混じり合う。 何かが始まりそうな、漠然とした春の予感に身を委ねて、伝えられたらいいのに。 ふぬけた顔を拝んでやろうとちらりと横を見ると、ふいに視線が交わった。
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