嘘と月
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嘘と月
「お月様ではうさぎさんがお餅をついてるの」 母が語ってくれたおとぎ話は、僕にとっては嘘だった。 身の丈に合わない本を読めば、月のくぼんだ部分がそう見えるだけで、神秘的だった世界は理論と数字に変わった。 でもいつの間にかその壮大さが分かるようになっていて、僕はまた小難しい本を開いた。
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