過ぎた春

1/1
前へ
/100ページ
次へ

過ぎた春

十年という時間は長いようで短くて、やっぱり長い。 知らず知らずのうちに色んなものを落としていたらしく、いざ好きなものを探そうと頭の中をひっくり返してみても、大したものは見つからなかった。 桜の散りきった公園には、ひとけがない。隅に固まった花びらが風に舞い上がった。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加