322人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
図書委員長と副委員長
やっと、入学式が終わったよ
あの後も何人か委員長の紹介があって会場の熱気が凄かったね。
耳栓していても聞こえていたから勘弁してくれと思ったな。今度からはもう少し防音性が高いやつを買わないと
それにしても、この後は役員評議会か……んー、めんどくさい
_________役員評議会とは、生徒会長と各委員会委員長。つまりそれぞれの代表者のみが集まり話し合いを行う会のことである
図書委員長って毎年、「各代表者の中で毎年最もまともな性格であるから」っていうふざけた理由で進行をさせられるんだよな
クセが強い子しかいないから出来れば引き受けたくない……だけどこればっかりは伝統(謎)だから仕方ない
ん?
誰かに服をひかれる
「河崎くん。やっぱり君だったんだね」
「……」
控えめに服を掴んで俺をじっと見ている背が高い生徒
この子は俺が委員長を務めている図書委員会の副委員長河崎くんだ
滅多に変わらないクールな表情と寡黙な性格が主にJK系の生徒に人気
んー、結構表情コロコロ変わるし寡黙な方とは思えないんだけどな
あ、実は俺たち同室でね。
この子は、寝てる時に部屋に入ってきて手違いで俺に馬乗りしてきたり、夕食あーんしてもらわないと絶対食べようとしないかなりお茶目な子……たまにやりすぎる時があるからその時はまあ少し罰をね……………ハハハ
「……」
「あぁ、役員評議会の時間だね。迎えに来てくれたのかな?じゃあ会議室へ行こうか」
河崎くんは首を振り、袖の代わりに手を繋いで俺を引っ張っていく
口は弧をえがいていて、犬耳とブンブン揺れているしっぽが見えた
うん、やっぱり寡黙とかクールな感じではないな。今も恋人繋ぎしてるし
結構大胆な子だよね
最初のコメントを投稿しよう!