おめでとうございます、あなたは選ばれました!

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 おわかりでしょうか。芸能人はテレビだの雑誌だのに出ているときや、街に出たときに人目を気にすればいいですが、あなたは物語が続く限り常に人目に晒されます。プライベート? ありませんよ、そんなもの。  なんで小説の主人公になれるっていうときにこんないやなことばっかり、説明するのかって?  だっていやなことを隠したまま、主人公にさせるなんて卑怯でしょう。わたしはそんなことしないって決めたんです。  なぜって、わたしがこの小説の主人公だったからですよ。  ええ、わたしはさっき言ったようなことなんて、事前に言ってもらえませんでした。  大冒険に胸躍らせて主人公になれば、待っていたのはそれ以上の心労でしたよ。あちらの希望を叶えれば、こちらの希望が叶わない。  かといってまったくの自分の思うとおりにするわけにもいかないのです。読者あっての小説ですからね。
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