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私はタバコを吸いながら頷いた。
「それは確かにあるのかもしれないですね…」
私はまた窓の外を見た。
「じゃあ十か月後に産科は混み合うんですかね…」
しかし、大雪がそれに当たるとすれば雪国の出生率は高いという事になる。
いや、大雪に慣れてしまい、生命の危機なんて感じなくなってしまっているのかもしれない。
私はふと我に返り、上杉さんを見た。
上杉さんは頬杖を突いて私を見ていた。
「う、うちには客間もあるんで…」
私は、タバコを慌てて消し、カップに残ったコーヒーを飲み干した。
上杉さんは私のマグカップにコーヒーを注いだ。
「しかし、都会の人って雪に慣れていないので、ちょっと雪が降ると麻痺しちゃいますよね」
上杉さんは私の前にカップを置いて椅子に座った。
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