ホワイトムスクの雪

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アフタヌーンティの時間も終わり、私は書斎に入り仕事をする。 上杉さんもリビングのソファでパソコンを広げて仕事をしていた。 書斎の窓から外を見ても先程と変わらず、雪が落ちてきている。 それどころか更に雪は強くなった気がする。 「先生」 書斎の入口から声がして私はそこに立つ上杉さんに目をやる。 「はい。どうかしましたか」 上杉さんは私の傍まで来て、申し訳なさそうに頭を掻いた。 「すみません。雪が止まなければ、今日、泊めて戴いてもよろしいですか」 改めて言われると少しドキッとする。 「あ、ああ、良いですよ。客間ありますので使って下さい。狭いですけど」 私は上杉さんに微笑む。 上杉さんは頭を下げて、礼を言った。
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