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それまで俺は極力、他人とは関わりたくないと思っていたし、実際そうして生きて来た。
母さんが大学一年のときに亡くなってから他人は信じられなくなったんだ。
はじめからそう言う性格だったわけじゃない。
父さんは、もの心がついたときには、すでにいなかったし、母さんが亡くなってからそれまで良くしてくれていた人が豹変して、遺産の一部を寄越すように言ってきたりしたからだ。
今までの誠意に対して寄越すのが当たり前だろうと言う主張だった。
母さんは死んでからも悲しい目にあったわけだ。
俺はとっとと、そいつが欲しい分を渡し縁を切った。
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