30人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
静かに男性が口を開く。
「いいえ、今日でお願いします。仏滅から大安になる頃が一番、運気が良いって聞いてこの時間に来たんです」
俺はそうなんだと初めて聞いた話に驚いた。
なおも、男性は話を続けた。
「それに今日は僕たちにとって大切な日なので、仏滅だとしてもこの日に決めていたんです」
俺はその理由はあえて聞きはしなかったけれど、なんとも言えない、その誠実さでさわやかな気持ちになっていた。
ふたりが出会った日なのかも知れないな、なんて柄にもなく思ったりした。
最初のコメントを投稿しよう!