似ている二人

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似ている二人

 あの日は肌寒い夜だった。俺はいつものように、今日も死ねなかった、と呟いていた。  あの日は涼しい夜でした。私は行く当てもなくふらふらと道を歩いていました。私の記憶が始まったのはそこからでした。でも、すぐに意識が遠くなってしまいました。  家に着いたところで驚いた。俺の家の前で少女が倒れていたのだから。どうしようか、交番に行くべきか病院に行くべきか、俺は思案したのち、少女を家で休ませることにした。それが一番楽だったから。その日は疲れていたんだ。もう出歩きたくなかった。  私は知らない男の人の家のソファの上で目を覚ましました。まだぼんやりとしている中、男の人のぶっきらぼうで優しい声が耳に届きました。  俺はとりあえずジュースと飯をだした。ちょうど昼時で、一緒にと誘った。ちなみに飯はカップラーメンだ。  私はよくわからなかったからとりあえず一緒にそれを食べた。食欲がなくて少ししか食べられなかったけど、とてもおいしいと思った。  それから俺は仕事に出かけた。今日は珍しく昼からだった。少女には好きにしていいと言い残した。理解していたか怪しいところだったが、どうでもいいと思った。  男の人は私を残して出ていきました。好きにとは、漠然としていて、どうしたらいいかわかりませんでした。カーテンで閉じられた部屋は薄暗くて、とても落ち着いたので、私はまたソファで眠ることにしました。  帰ってくると少女はソファで寝ていた。まじかと思った。まさかまだいるとは思わなかった。この少女はどこから来たのだろう。なんで一人でいたのだろう。そんな疑問が頭に浮かびながらも、俺は少女をそのままにしておいた。それが一番楽だったから。そして、俺はいつものように一人で飯を食い、いつものように銃口を自分のこめかみにあてた。引き金に指をかける。目を瞑る。そして引き金を。  私は銃を自分の頭に向けている男の人に声をかけました。何をやっているのだろうと思ったからです。男の人はゆっくりと私に視線を向けました。そして銃を置き、私にカップラーメンを作ってくれました。男の人は、また死ねなかったと呟きながら、ベッドで眠ってしまいました。私は食べ終わって、なんとなく男の人の横で眠りたいと思いました。ベッドに入ろうとしたとき、突然、銃を向けられました。少し、驚きました。  近づく気配に俺は反射的に少女に銃を向けていた。少女は少し目を見開いたが、それ以外何のリアクションも起こさなかった。  男の人は私に一言謝り、銃を枕の下に戻しました。私は、背を向けた男の人の横で眠りにつきました。
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