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スムース・ハンドフィッシュを容器に入れ、BIOに積み込んでから、ふと思ってしまった。これって人間の力など必要のないことではないか。スムース・ハンドフィッシュの生存確認から捕獲、輸送まですべて無人探査機BIOや相棒のロボット、スピィに任せれば済むことだ。
「ああ、分かっちゃった。」
「どうしましたか? イクト。」
「いんや、なんでもない。このミッションが完了したら。僕らもうお別れだね。」
「そうですね。少し、さみしいです。」
「はは、スピィのプログラムには、さみしいって感情はインプットされているんだな。」
「それがそんなにおかしいですか?」
「ううん、開発者に感謝しろよ。」
「もちろん、博士には毎日、ありがとうって連絡していますよ。」
「お前、愛されているな。」
「ワタシが、博士を愛しているんですよ。」
「うらやましいな。僕にもそんな存在がいてくれたら。」
「今度、博士に会いに行きましょう。いっしょに。」
「いや、僕は、たぶんこれから。」
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