長生きする島の秘密

「あ～、疲れた・・・。」

体のあちこちが痛いし、壮絶な船酔いの後でぐったりだ。なんせ自宅から丸二日近くかけてこの島にやって来たのだ。

絵の具を溶かして作ったようなエメラレルドグリーンの海はあまりにも美しくてもはや現実離れしている。

───ここは本当に日本なんだろうか？日本語通じなかったりして。

そんなことを思っていたら『ようこそ』と書かれた小さな看板があった。どうやら日本らしい。

撮影前にこの島の役場に挨拶に行かなければいけない。スマホは通じるが地図アプリで見ても島の形がポンとあるだけで島内部のデータはないし、島のホームページもなく地図を事前入手出来なかった。看板の隣に色あせた地図があるのを見つけて近づこうとすると誰かにぶつかった。