修行しろ

1/1
前へ
/257ページ
次へ

修行しろ

「流さん、コーヒーでいいですか?」 そう言うと紙コップ型のコーヒー販売機のスイッチを押す 「どした?なんかあった?」 流さんがちょっと真面目に聞いて来た 「なんかあったって言うか…」 「なんか気になる引っ張り方するな」 「あ~いや、この前うみ先生の取材のお付きをしたら宗吾さんが瑞樹ちゃんのホクロの位置を焦らしに焦らして言わなくて夢なのか現実なのかわからないけど瑞樹ちゃんにホクロの位置を聞くのに詰め寄る自分が居まして…」 「プッ…それで?」 「朝起きたら鼻血…吹いてました」 「ブーッ、お前は男子中学生かよ!!」 「あ…やっぱりそう思いますか…」 「お前には、邪念が多すぎるんだよ、邪念が!!」 「邪念…ですか…」 「お前みたいなのは、一度滝行しろよ、滝行!!」 「え?滝行?それ、暑い日に出来ます?」 「ほら、そう言うのがダメなんだよ。くそッ寒い冬の朝に打たれろ」 「え…それ死にますよ」 「そ、邪念が死ぬんだよ」 うみさんと翠さんで女性レストルームにいる 「うみさん、凄いレストルームですね」 ちょっとうっとりしてしまう パウダールームって言うの? 芸能人が使うような大きな鏡にライトが埋め込まれてて ライトをONしたら… 「うわっ、びっくり僕か!!」 一瞬知らない人が映った気がした あの鏡は、絶対魔法の鏡だと思う うみさんは男性レストルーム軽く見て先にレストルームから出た 男子レストルームも個室が広くて 使い勝手がいい 貸し会議室だからここで写経の会しても問題無いよね? そう思いながらレストルームを出ると 目と鼻の先にあるフロアー休憩室に 流とみおさんが居るのが見えた …何やら真剣な話? 声は聞こえないけど…そっと近寄る 「でさ、した後の風呂最高なんだよ」 流? 「え…そのお風呂入ってみたい!!」 みおさん? 「やるか?で、一緒に風呂入るか!?」 やる!?風呂!? え?流…やるって!?何!? 「やります!!やります!!流さんとなら最後まで行けそうです」 みおさん? そんな貴女!!やるって…そんな簡単にやるやるって 流と最後までって… これ、誘ってOKしてるシーン!? 色々考えてたら顔の筋肉に力が入らず多分真顔になっているのは自分でもわかった 「あっ、翠!!」 流さんが声をかけるので 振り向くと… 色白でスンってして目がすわっている翠さん …なんか白蛇に睨まれている気分 「す、翠さん?具合悪いですか?」 「いえ、別に」 「えっ?」 翠さんぽく無い返事で怯む 「お邪魔しちゃったみたいですね」 「翠?翠?」 翠さんは何も言わず戻ってしまった 「翠さん…あきらかに様子おかしいですよね」 「俺、翠の所行くからうみさんに伝えておいて!」
/257ページ

最初のコメントを投稿しよう!

147人が本棚に入れています
本棚に追加