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あれから数週間後⑪
「あ、みお、そう言えば何で小森が和菓子屋に居たって知ってるんだ?」
流さんが聞いてきた
「うみ先生と1日乗車券で色々遊び歩いていて浅草に行ったのでそこで小森さん見かけまして…後ろに並んで居るのを気が付かれたら合掌して『失礼いたしました』って出ていかれたので浅草のお寺の小坊主さんですかね?って話をしていたんです」
「小森君は、あんこの話になると物凄く真剣になってしまいますからね。けれど、並んでいる方にご挨拶と合掌は、本当に好感もてますね」
翠さんが言葉でいいこいいこしている
「はい、仏門は礼で始まり礼で終わる。住職の教えに乗っ取って生活してます」
小森さんは、褒められて嬉しくてたまらない顔をする
「そうだな、小森、お前菅野君に乗る前と乗った後ちゃんとご挨拶してるか?」
また流さんがニヤニヤしながら悪い顔してる
「流!!」
翠さんが止めようとするが小森君は元気に…
「はい!勿論です!菅野君は(運転が)丁寧なので僕は直ぐ気持ち良くなっちゃって(寝ちゃうので)申し訳無くてちゃんとご挨拶します」
鼻息荒い小森さん初めて見た
「ちょっと、小森君?そんな話しちゃダメだよ」
翠さんが赤くなりながら言う
「え?ダメなんですか?だって本当に気持ちいいんですよ?激しく揺れないで微弱な揺れが心地いいんです」
笑顔を皆に向ける
聞いた流さんと翠さんまで赤くなってた
…一瞬翠さと流さん見つめあった気がした
「こ、小森…悪い…それってナンの話だ?」
流さんが確認の為なのか聞いた
「はい?菅野君に乗る時ですよ。菅野君上手いんです。気持ちいいんです。つい、寝ちゃって気が付いたら現地に着いている事も…」
「あ"ーもう!」
流さんは、話が通じて無かったのを覚り
「ほら、ティラミス食え!!あんみつじゃねーけど食え!!」
大きなタッパーに山程作ったティラミスを小森さんのデザート皿にこんもり乗せる
翠さんはホッとして肩の力が抜けてた
思わず小森さん以外の三人
目が合い苦笑いしながら
甘さ控えめなティラミスを食べた
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