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あれから数週間後 ⑫
「翠さん、流さん、すっかり長居してしまってすみません。ただのお使い頼まれただけなのに…お昼まで頂いてしまって…」
「いいんですよ、僕たちも楽しかったし、ね、流」
翠さんは、流さんを見る
「ああ、またシェフしてやるから今度は、うみさん連れて来いよ」
流さんはパスタ作る仕草してくれる
「あ、小森君。今日は、もう上がっていいよ。みおさんと一緒に駅まで行ってあげて」
「いや、翠さん大丈夫ですよ。私一人で駅まで行けますから」
「みおさん、たまには小森君早い時間に帰してあげたい理由が出来てるから一緒に駅まで…ね」
翠さんに優しく言われて納得
そうだよね、お寺早番とか遅番とかないもんね
「はい、わかりました。では、小森さん駅までご一緒お願いします」
小森さんにちょこっと頭を下げた
「はい、ではお待ちくだ━━━━
流さん!!」
「なんだ、小森!!不満か!?」
「あっ、不満ではなくあずき一晩水につけますよね。炊き始めは何時から…」
物凄い真剣に聞いている
「小森が来てから火を入れるよ。その方が安心だろう?」
「はいっっっっ!!」
小森さん無茶苦茶笑顔
本当に大好きなんだな~あんこ
翠さんと流さんに見送られながら山門を抜け
階段を降りる
「みおさんて霊の存在信じます?」
小森さんが聞いて来る
「霊…ですか?私は見たこと無いですが母の伯父にあたる人が、私の田舎で住職していて伯父は急に『上がってきたね』って支度するんですって。すると電話が鳴ってどこどこの○○さんが亡くなったってって言うのを何度もあったって聞きました。だからまあ、嘘ではないと思ってますけど?」
ちょっと真面目に答えた
「僕、菅野君と出逢えたの菅野君の元彼女のおかげなんです」
はい!?小森さん何言ってるの!?
こんな可愛い顔して元カノとか
霊とか…
これはどうするべき!?
久々頭の中の回転が早くなる
「僕、この階段で元彼女に突き落とされて…」
「はぃ~?小森さん!それ、警察呼んだ?元カノだろうと何だろうとそれは殺人未遂じゃない!?」
畳み掛けるように話した
「え?みおさん、菅野君の元彼女って霊です。オバケちゃんです」
「へ!?」
「菅野君の元彼女さんが菅野君心配で
様子見てたみたいで彼女『僕なら』って僕を階段から突き落として菅野君にキャッチしてもらったのです」
「凄い出逢い方だね。けど、ドラマチックだね」
「はいっっっっ」
小森さんの笑顔が眩しかった
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