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あれから数週間後 ⑮
「小森さ~ん、離れたい時は声かけてください。居なくてびっくりしましたよ」
青ざめひきつりながら声をかけた
「あっ、みおさん!だってだってココ!!このお店」
小森さん興奮している
「こちらは、上野池ノ端で創業し、銀座に移転しても商売繁盛しているあの有名なお店でこちらは、五代目の店主が立ち上げたお店なんですよ!」
小森さん…お店の人が引くくらい事情通
そんな小森さんは、包みを四つ受け取り
「ありがとうございます」
と合掌して店を離れた
しかし、小森さんの目は色々興味のある方向に動く
「小森さん、ゆっくり見て行きたいのは山々ですが菅野君に遅れます」
キーワード『菅野君』を出すと
「そうでした!菅野君です!1番線でしたよね」
こうしてデパ地下ならぬ、悪魔な駅ナカショップを抜ける事ができた
こうしてどうにか17時30分に有楽町の駅に着いた
「小森さん、菅野君の会社はどっちの改札です?」
「んー…こっち?」
わかっているのかいないのか疑問系で答えてくれてこちらが不安になる
「小森さん、私が不安なので菅野君と会えるまでご一緒しますね」
小森さんに伝える
「えっ、いいの!?みおさんに菅野君会わせたかったんだ~
僕の菅野君は、優しくて、背も高くて
、男らしくて、かっこよくて、僕大好きなの~」
えーっと…私は何を聞かされているのでしょうか?
もう、品川駅で焦り過ぎて魂が抜けかかっているので頭の中にちゃんと入って来ない
「みおさん、今日は僕と一緒にいてくれてありがとうございました」
にっこり微笑んでくれた
あっ、疲れ吹っ飛ぶ顔だわ~
なんかご利益ありそう
「いえ、こちらこそ楽しかったですよ」
って言い終わる頃に
「こもりん!」
小森さんを呼ぶ声
「あっ!かんのくーん!!」
駅前の広場方面に駆け出す
どの人が菅野君!?
走る方向を見ていると
優しげな背の高いスーツ姿の男性
小森さんまるで子供の様に胸元に走りこんだ
…なんか映画のワンシーンみたい
駅前なのにニヤけてしまった
私の方を見ながら小森さんは、菅野君に説明している
「あっ、こんばんは…かな?なんかこもりんがお世話になったみたいで。ありがとうございます」
深々頭を下げてくれる
「いえ、楽しかったです。菅野君の話も沢山聞きましたし」
小森さんに向けて『ねっ』て顔をした
小森さんも『ねっ』てしたら…
菅野君真っ赤になってた
いや~ん、なにこのカップル
うみ先生なら色々聞き出すんだろうな~
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