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あれから数週間後 ⑱
「で、みおさん…朗報とは?」
夕飯を食べ終え食器を洗い終わり
お茶を出した時に言われた
「まずは、うみ先生…浅草の東むらさんであんこの事とか聞いてた若い男の子…覚えてます?」
唐突に聞いてみた
「覚えているわよ。小坊主みたいな子よね」
「そうです、そうです。実は彼…月影寺の小坊主さんでした!」
「え!?月影寺の子なの!?」
うみ先生めちゃくちゃに驚いている
「はい、小森風太君って小坊主さんでした。あんこが大好きで…あっ、これ小森君から『先生とどうぞ』って品川駅で姿眩まされて青くなってたら『五代目が立ち上げたお店』とか言うところのどら焼き頂きました」
袋から出し菓子皿に乗せて出す
「あら、ココ銀座の老舗和菓子屋さんの…」
「はい、ココ上野池ノ端で創業始めたらしいです」
「え?何情報?」
「小森君情報です。彼はあんこに命かけていると言っても過言じゃない位あんこがお好きなようです」
「そこまでならあんこ職人になればいいのにね」
「ですね、あ、お持ちした小豆、明日流さんと一緒に炊くみたいですよ」
「今時あんこ好きな若者って不思議ね~」
「ですね、あ、大きい声じゃ言えないのですが…彼氏の好きにさせている時あんこ使うらしいですよ?流さんが『お前たち上級者だな』って言ってました」
「ちょ~ナニソレ!!ナニソレ!!楽しそう、その子に会いたい!!」
うみ先生涙流して笑ってる
「はい、ここからが朗報です。
小森君の彼氏は、菅野君って男性でなんと!瑞樹ちゃんと同じ会社で同期入社なんですよ?」
「キャーナニソレ!!ナニソレ!!」
もう、うみ先生の顔が破顔している
「で、うみ先生が作家さんって言うのを知り興味を持ちましたので…」
「ちゃんと誘った?」
「はい、葉山瑞樹さんが菅野良介さんを『一緒に行く?』って誘ってます」
「キャー。楽しくなりそうね~♪」
鼻歌混じりな声を出し
うみ先生は、こもりんから頂いた五代目のお店のどら焼きをぱくんと食べた
「んふっ、美味し」
きっとこれから逢う二人と
お話出来るワクワク感も混じって
どら焼きの甘さを引き立てているのかもしれないな…
と、私も一つご相伴にあずかりながら
次の集まりが楽しみになった
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