イシノ ジョー

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イシノ ジョー

二本同時公開しております ご注意くださいませ *━*━*━*━ 「大丈夫ですか。私は外科医です。足を診ても」 「きゃー!じょ…」 危なく口から丈さん!って出そうになった 流石にここで身バレはまずい あ、大船の病院で世話になったって言えばバレない? いや、苦しい言い訳になるから… 「お、お医者さまなんですか」 これが正解でしょ テキパキと怪我の手当てをしてくれる丈先生 いや~お見事だわ~ 「足首を診ても」 「はい、お願いします」 丈先生の綺麗な手が私の足首を掴む 綺麗な手だし、綺麗な指…… はっ! イヤイヤイヤ 洋さんの丈先生ですから!! そう思いながらも今のこの瞬間だけ 私を診てる丈先生でいいよね… 洋さん、ごめんなさい 少しだけ夢見させてください 怪我が治ったら月影寺に参拝に行きます 少しだけ煩悩に浸らせてください *━*━*━*━ 『うみ先生、裏口に出てこれます?』 無線でうみ先生呼び出した 「どうしたの?みおさん」 「どうも、森に行く途中で木の根に引っ掛かって派手に転んだ人がいると」 「で?」 「うちのメンバーらしくて…」 「え!!大変、大丈夫?行きましょう」 「あっ、この先の話があります」 「先?」 「はい、転んだのを見ていたのが洋くんと瑞樹ちゃんで、洋くんが丈さん連れて行ってまして…」 「えっと…それ、かなりな大騒ぎっぽく聞こえますが」 「はい、かなりな大騒ぎですね」 「ちょっと行ってみましょう」 「はい」 うみ先生と私は、輪の一番外側で様子を伺う 「あっ、やっぱり派手に怪我してますね」 「本当だわ…開業の時、お花プラスアルファしないとね」 「ですね、あ、私も参加しますからね」 きっと丈さんは、プラスアルファの意味がわからなくて怪訝な顔をするのだろうなと思うと笑える そんな中、二~三人前に洋くんが居る 「うみ先生、前に洋くん居ます」 肩をトントン叩いて知らせる 指を丸めてOKサイン 「わかった」の合図 「……ふっ、医師の丈は格好いいな」 洋くんが呟き うみ先生と目を合わせた ━くぅ~洋くん言うね~━ ってうみ先生と目を合わせニヤニヤしていたら 洋くんの側の人が 「ありがとうございます」 ってお礼言ってる? うみ先生と首を傾げながら洋くん達を見つめる ん?何か受け取った? 何だ?あの紙……名刺サイズ? ちょっと人を押し退け洋くんの真後ろに立ち確認 ブ━━━━━ 吹き出しそうになるのを我慢し うみ先生の元に帰り うみ先生を引っ張りながら輪を離れた 「うみ先生!!ヤバい!!!!事件です」 引き笑いしながらうみ先生に報告 「ちょっと早く教えて!!」 「あの、名刺の人 イシノ ジョーさんでした」 「はい?なに?」 「あの方漢字だと石野 譲さんでした ひらがなカタカナ口から出る言葉だと医師の丈と石野 譲 全く同じです!!」 「いや、なにそれ!!ちょっと面白い」 「笑えますよね」 「そうね、けど…洋から格好いいなんて言われて勘違いしなければいいけど…」 「大丈夫そうですよ?小さいお子さん連れててマイホームパパしているみたいですよ」 「そう、良かった。洋には、つい、要らぬ心配しちゃって。 さ、そろそろ手当て終わりそうだし戻りましょうか」 「はい。皆さん散策楽しまれましたかね~」 「そうね、きっと楽しかったはずよ」 「あっ!うみ先生そろそろお米研がなきゃ!!」 慌ててうみ先生とみおは、ログハウスに戻るのでした
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