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フライングピザ?
「次は、具の野菜を切るみたい」
私は、目が良いから広場の周りを囲むように配置されてるベンチから見てる
「あ~子供用の包丁もあるみたい」
「へ~ピザでも調理体験出来るんですね~」
「本当、生地捏ねて、切った食材乗せて焼くだけかと思ってま………」
「どうしたの?」
「私の目がおかしくないなら翠さん立ち尽くしてません?」
「本当だ…」
近くをわざと通ってきた女子が肩を震わせて近づいてくる
「す、翠さん、切るの悩んでいるみたい!!」
ああ…包丁持つとどうなるか考えているのか~
段々気の毒になる
「あ、薙くんが包丁するのかな?」
「流石、薙くん!翠さんんのフォロー………」
「くっ!!」
━くっ?━
横にあった大きな木の影から声が聞こえた
皆で振り返ると!!
流さんが一応見えないように佇んでいた
「あ"っ」だの「ひゅっ」だの言っててハッキリ言って不審者
つい皆でジーッと見つめてしまったら
気が付かれた!!
「あっ、すみません。怪しい者では…」
「あ、いえ…」
「「「(……知ってる)」」」
「いえ、あのピザ教室に兄と甥が居まして…兄と甥不器用で……包丁がぁぁぁぁ~」
翠さん達を見ながら喋る流さんは、本当に心配そうで皆でちょっと微笑んだ
「あっ、あの~そんなに心配でしたら包丁代わって差し上げたらいかがです?」
つい、言ってしまった
「え?」
流さんが鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしてこちらを向く
「いえ、そうしないと…具が無くなるのでは?」
指を指して話をした
「あわわわわ!!本当ですね、ご意見ありがとうございます。兄達と合流しますわ」
そう言ってあっという間に翠さんの側に立ち
一度は具材を切るのを見ているが
やはり流さんにバトンタッチした
ピザ生地も本場ナポリの職人か!!って位ピザ生地を空中でのばしてる
翠さんは、薙くんと日陰に行って優雅にお茶してる
流さんの溺愛っぷりに笑いが込み上げてくる
「ねえ、ねえ、流さんて本当に何でも出来るのね…」
「うん、一家に一人流さん欲しいね」
「ね、けどさ、前にみおさんが『流さんは絶対忍びだ』って言ってたけど本当に流さんは忍びみたいね」
「本当!居たの全然気が付かなかった!!」
「あれ、翠さんだけに発動?」
「いや~羨ましいわ~、私もぶきっちょなのに~」
「次、話が出来たら『私も不器用です』って言ってみようか?」
皆で笑いながら
「「「で?って言われるよね~」」」
笑いながらいまだにピザ教室を見つめていた
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