とあるメアリー Xmas

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「メアリーどうしたの?」 同僚が話かけてくる 「やっぱりあの小学生…迷子みたい」 ツリーの下を指差す すると、こちら側から飛び出して行く二つの影 慌てて走り去る男性と 小学生と手を繋いで椅子に座らせる男性 ん? なんか見た事あるフォルム あれって、あれって 加々美花壇の!? 手が止まり見つめてしまう私 「ちょっと?他人の盗み見はダメよ !?」 華道家の先生からの鋭い声が刺さりそうになる 「いや、先生、盗み見はしてませんよ」 …まさか加々美花壇のお二方見てるなんて言えない 「手が止まってるわよ~ 本当、自分の思ったままにやってみなさい」 先生は、羽根のパーツを沢山他から持ってきてくれた 「先生!!」 「フフフ、私は沢山恩を売っておくタイプなんです」 笑いながら鼻を膨らませていた 「ああ、ではありがたく頂戴いたします」 そう、私の目には、加々美花壇の天使が見える 彼をモチーフにして作るリースは 可愛いし天使だし邪気がない!!気がする そうこうしていたら迷子は、お母さんに引き渡されたみたい 良かった やっぱ天使♪ 「ちょっと~何か素敵じゃない」 華道家の先生が声をかけてきた 「はい、天使のような人がいらっしゃったのでその方をイメージしてみました」 笑顔で言ってみた 「やっぱり日頃の行いが出ちゃってました? 私、そんなに天使かしら?ミカエルって雰囲気出ちゃってました?」 先生の喋りが止まらない 「え?いえ、あの~」 「うわぁ、素敵ですね 仮屋先生のイメージですよね!? 大天使様って感じが仮屋先生そっくりです」 話に加わって来た加々美の天使… いや、先生のイメージじゃないから 貴方がイメージですから!! とは、ぶっ込め無い 小心者の典型的日本人だよ こうして華道家の先生に誤解されながら リース作り教室は終わりをつげた
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