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「か、買う。買ってみる」
「よし、売り場見つけたら買ってみよう」
そんな話をしながら歩いていると
後ろから何か声がする
「あっきー、走ると危ないから!!」
そう聞こえた横を走り去る男の子
「大丈夫!!漏れちゃう」
━カチャン━
何かが落ちた
「お兄ちゃん、何か落ちたよ?」
聞こえないのかトイレ優先なのか
走り去ってしまった
落ちた物を拾い上げる
「どうしよう…」
男の子を待つべきかと思っていると
「すみません」
と、声がかかった
振り向くと「まきちゃん」がいた
「あの~これ…さっきの男の子が落としたみたいで…」
差し出すと
「あ、本当、あっきーのだ。
すみません、ありがとうございます」
深々頭を下げてくれた
「いえ、とんでもない事でございます」
緊張し過ぎて言葉が変に丁寧になる
「あっ、今日はお二人ですか?」
え、何!?
何で私達の人数を聞く!?
「はっ、はいっ!!」
また、小学生のように元気な返事をしてしまう
「クスッ、あの~よかったらコレ」
彼がポケットから何かを出した
「これは?」
「僕、このキーホルダー作っているんです。
あ、拾ってもらったのと一緒です
拾ってもらったお礼と食事していた時僕らうるさかったでしょ…」
…うるさくは、無いけど内容は聞こえてました
「お詫び…と、言ってはなんですが受け取って。
江ノ島のかんの家さんにしか売ってないローカルお土産だけど…」
そう言って手の平に置かれた
「まきちゃーん、なにしてるの?」
男の子がトイレから戻ってきた
「あっきー、このお姉さん達がキーホルダー拾ってくれたよ」
「え、うそ。落とした?」
「うん、落とした。あっきー、お姉さん達に言うことない?」
「お姉さん、拾ってくれてありがとう」
「いいえ、落とさないようにね」
声をかけたら笑顔で
「うん」
って言われた
「本当にありがとうございました。失礼します」
軽く会釈をされた時
あっ!って顔して言われた
「メリークリスマス!!」
「お姉さん、メリークリスマス!!」
私も負けず
「メリークリスマス!!楽しい1日を」
私の手の中にクローバーの
キーホルダーがあった
なんか…幸せだな
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