初春

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初春

お節とお雑煮を頂いた のんびり過ごせるのかと油断していたら お館様のお弟子さん達が引っ切り無しに来る 昼過ぎから夜までご挨拶に来てくれる 元旦ようやく落ち着いたのは 19時過ぎ 「うみ先生、毎年こんなに忙しいのですか?」 「今年は、なんだろう?特別みたい」 ふと、台所のテーブルに置いてある年賀状の束をみる 「うみ先生、これが万札の束だったら凄いですよね」 と言うと 「そうね、夢みたいね」 と笑って答えてくれた 「そう言えば、初夢って諸説あるみたいですね。 31日~1日の夢って言う人 年明けた1日~2日って言う人 2日~3日って言う人」 「そうね、ただ、夢なんて見ない人もいるからその年初めて見た夢を初夢でもいいんじゃない?」 「うみ先生!頭良い!!今から私そう思います!!」 笑いながら居間にお茶とみかんと年賀状を持って座った お館様、お館様、お館様、お館様 うみ先生、うみ先生、お館様、お館様 年賀状の振り分けが 「楽しくない」って初めて思いながら仕分けした お館様、お館様、うみ先生、うみ先生、うみ先生、みお… え?私に来てる!!誰!? うわっ、芽生くん! 連名じゃなくてお館様とうみ先生と私にまで年賀状出してくれてた 裏には、芽生くんと瑞樹ちゃんが 白いうさぎの被り物していて 宗吾さんに抱き込んでもらっている写真が貼られてる やだっ………尊い…… 変な声が出そうになり口元を押さえる 芽生くんの文字で 『ことしもいっぱいあそぼうね』って書いてある 文字もキレイに書けているし素晴らしい ウンウンあそぼう!あそぼうね って年賀状の写真を見つめていた 「みおちゃん!」 呼ばれて振り向いたら芽生くんがいた 「ちょ、芽生くん!瑞樹ちゃんかパパは!?」 「ちょっとみおちゃん、黙って」 手で口をふさいできた 「あのね、みおちゃん大事な事だからよく聞いてね」 ふさがれているから返事が出来ず何度も頷く 「僕ね、もうちょっと大きくなったらみおちゃんとデートしたいんだ。恋人になりたいんだ」 「…はい?」 意味が全くわからない けど、目の前の芽生くんは キラキラした笑顔をこちらに向けて微笑んでいる
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