もちろん

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時は、遡る事 1月7日過ぎたある日 「あ、そんな事でしたらお引き受けしますよ。 困った時は、お互い様ですしね。 どうしましょうか? 足まだ完全じゃないでしょ? わかりました。うちの小森向かわせますから渡してくださいな。 はい、ごめんください」 月影寺のご住職 翠さんが丁寧に電話を切った 「翠?まさかと思うけど…今の?」 「ああ、流。うん?檀家さん達がお正月の松飾りの処分に困ってて…」 あ~ やはり、翠に電話と取らせるべきじゃなかった 昔みたいに何でもかんでも出来る時代じゃ無くなったのに… 俺が出た電話の相手には 新聞紙でいいから紙を用意し 塩をふって紙を清め包んで普通ゴミに出せと教えているが 翠が電話に出ると押しきられる… いや、そもそも断る気が無いもんな す…いや、ご住職は… 「はぁ~」 「え?流?何かダメだった? うちのをするついでだと思ったから… 流…ごめんよ」 眉毛を八時二十分にして謝る兄さん も~ そんな顔俺だけだよね?見せるの 「にい…翠、大丈夫だよ。 俺が色々許可取ってくるから」 ぱぁ~っと笑みが浮かび 「流、ありがとう 流石、流だね」 こんな事言われたらやるっきゃ無いじゃんか 「ご住職さま~ 檀家さんが『今年もお願いします』と先程からこれを置いて行かれてます」 両手に紙袋 中身をひょいと見たら… やっぱり松飾り!! 「あ、小森君。一軒檀家さんのお宅に行ってその後お饅頭買って来るお使い頼んでいい?」 「はい!ご住職!!行って参ります!! お饅頭は…いつもので良いですか?」 「小森君の好きなのでいいよ」 「わ~い、ご住職様~ダイスキで~す」 「私もだよ」 はぁ、俺はなんて物を見せられているんだ… この二人の空気に脱力… 「翠…行って来るよ」 「あ、流。気をつけるんだよ」 笑顔で送り出してくれた まずは、市役所に行って許可を取る うちが寺だから即日許可が出る これが祭りみたいに大規模だと ダメらしい 市役所勤めの同級生から耳打ちされた内緒話 次は、消防署 寺の地図に水回りを記し 寺の裏側に水道が2ヵ所有る所で 9時頃から始める項を相談 これも「市役所の許可が降りているなら」と許可頂く ってこれ、毎年続けているな 環境問題とかで野焼きみたいなこと しなくなったから 自宅でゴミを焼くなんてって思われがちだが うちは、寺 まあ、祭り事にしないどんど焼きを 身内だけでしてるんだ
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