もちろん

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許可取りを終え帰宅した 「翠…いや、ご住職?」 「あっ、お帰りなさい流」 きょとんとした顔でこちらを見る 「えっと…これは?」 玄関先の沢山の紙袋 「ああ、やっぱり皆さんお正月飾り ご自分で捨てられないみたいで…」 だよな、だよ わかるよ ん、俺が頑張るから大丈夫!! 「翠、大丈夫だよ」 翠に、微笑んだら 翠、顔真っ赤になったよ!! 「流…本当に頼りになるな」 「お褒めに預かり光栄です。 兄上」 「兄上!?」 ビックリした顔をした だろうな、兄上なんて呼んだこと無い これは!と、思い続けた 「兄上、褒美を賜りたい」 「褒美?」 「はい、褒美を…」 そう言って左手で翠の腰を引き寄せ 顎に右の人差し指をあてクイッと顎を上げた 翠の目が俺を射貫く 「ごじゅーしょくさまー」 大きな声で俺の翠を呼ぶ 「あっ、こ、小森君帰って来たね」 真っ赤な顔の翠が玄関から駆け出した 「チッ、小森、いいところを邪魔をして」 ま、翠には夜に倍、褒美を賜る事にする 「住職さま、皆さんからこれを頂いてしまいました」 大きな袋を肩から提げて帰って来た小森くんは、その荷物をドカッと 玄関先に下ろした 「小森くんこれは?」 「はい、お焚き上げするならこれで暖まってと…」 袋を覗き込むと… 太めのふっくらした赤紫色の かわいい子達がゴロゴロしてる 「「「さつまいも!!」」」 「あ~火に入れて食えって事か!!」 「けど、随分沢山あるけど檀家さんを呼ぶには数が無いし 僕たちだけだと多すぎるし…」 「何言ってるんだよ、住職。 友達呼べばいいさ、滝沢家と… あっ!今年はうみさん呼ぼうか?」 「そうだね、じゃあ、お焚き上げ兼ねた新年会しようか」 「焼き芋にあんこ乗せていいですか?」 「あんこでも菅野でも乗せろ」 「ちょ、流。菅野君は乗せたらダメだよね?小森君、菅野君都合良かったら誘っておいで」 「ご住職様~やっぱり大好きですぅ~」 「よし、じゃあ、皆に連絡入れるわ。急だが来れるといいな」
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