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「こちらが最後尾になりま~す。
沢山あるので慌てないでくださ~い」
「あ~みおちゃ~ん!」
「芽生くん!いらっしゃい。待ってたよ」
大きな声が響く
が、大きな声を出してる私より皆
滝沢家の皆さんに注目する
が、滝沢家の皆さんあまり気にしてなくてホッとした
「みお、なんだこれ?」
宗吾さんに聞かれた
「いや、差し入れでさつまいもが沢山集まっちゃいまして
どう考えても食べきれないので
インターネットで先着順ですが…
と、発信したら…こんな感じになりまして」
「配り手はいるのか?」
「翠さんから欲しい方が多くて…
流さんが威嚇しながらさばいてますがなかなか…」
「よし、瑞樹。俺らも配りに行くぞ」
「はい、宗吾さん」
二人は、アイコンタクトをして頷く
「パパ~ぼくは、みおちゃんと一番後ろで案内するよ」
「みお、大丈夫か?」
「はい、任せてください。芽生くん、よろしくね」
「うん、みおちゃんもよろしくね」
私達もアイコンタクトをして笑った
「こんにちは♪
パパとお兄ちゃんも配ってま~す
温かい焼き芋の列で~す」
芽生くんの可愛らしいインフォメーション
並ぶ人達は、
「ボクは、配らないの?
お姉さんボクから受け取りたいな~」
と、笑顔
「うん?みおちゃんどうした方がいいかな?」
芽生くんが私を見る
「なんか人が少なくなって来たし
このまま一番後ろに着いて上まで行って渡そうか?」
提案する
「うん、そうだね。
お姉さんにお芋あげるね」
芽生くんがニッコリすると
近くにいたお姉さま方は、メロメロパンチにやられたように
ふわふわしていた
上にあがって行くと
お芋を受け取った人達は、邪魔にならない所で
お芋をパクリ
…あっ、バター皆で塗ってる
ちょ、ファミリーパックのでかいアイスを持って来て近くの人に盛り付けたりして
…皆、流石だな
ってか、うみ先生の読者さんは本当
優しい人が多いんだよ~
目を細めて遠くを見つめてしまう
「はい、お待たせしました。良い年になりますように」
翠さんは、丁寧に一人一人に対応してる
「旨いからな、喉に詰まらすなよ」
流さんは、手早く配る
小森君は、菅野君と焼けたお芋を
配り手の側に置いて行く
「寒いのにお待たせしました」
瑞樹ちゃんは、寒い中待たせたのを気にして
メアリーの手を包み込むように渡してる
「暖まれよ~」
宗吾さんは、テンポ良く渡して行く
「寒かったですよね。暖まって」
あっ、うみ先生も渡してる
「みおちゃん、ぼくも行ってくる」
芽生くんが走り出す
「あの~これ、なんの騒ぎですか?」
振り向くと
「あっ?……薙くん!?」
「オレの事知ってるの?えっと……誰?」
「ああっ、ごめんなさい。
あ、デパートに制服買いに行った時、うみ先生と会いましたよね?
うみ先生のお宅で書生してます。みおと申します」
手を振りうみ先生に気付いてもらう
「ああ、デパートで会った人!!
はい、はい、はい
あの後、暫く流さん機嫌よかったんだよね~
意味わからなかったけどさ」
ああ、流さん機嫌いいの当たり前だよね~
翠さん嫉妬したみたいって聞いたし
思わずニヤケ顔になった
「えっと…みおちゃん?
ちょっと気持ち悪いよ?」
薙君に突っ込まれる
「へ!?…失礼しました」
「で、これ、何事?
どんど焼きするって言ってたから
部活早めに帰ってみれば……
なんでこんな列出来てるの?」
う?うん…不思議になるよね…
薙君ごめんね
けどね、君のお父さん
人類に笑顔与えているんだよ
と、人類規模の話をしそうになってしまう私です
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