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「あっ、あのぉ~
これ、私が描いたんですけど…
よかったらお持ちになりませんか!?」
ちょっと目が…いや瞳孔が開き気味の
作者さんが流さんに薄い本を差し出した
「え?いや、これ売ってるんだよね?」
「いえ、大丈夫って言うか
貴方に読んで頂きたいんです!」
無茶苦茶鼻息荒い
「あっ、あの~
これも読んで下さい!!」
「私のも!!」
「私のは、同級生もので」
「私のは、義理の兄弟モノです」
「私のは、叔父・甥です」
「兄弟モノです」
「頂く」
そう言うと流さんの手元には
山ほどの薄い本
薄い本なのに山ほどって…
皆必死に渡してる
「おい、みお!!持ってくれ」
自分の買ったモノを入れるバッグに
何故か流さんが頂いた薄い本がはいる
もう、今時点でかなりな重さ…
「流さん…重いっす。
皆さんの想いが重いっす」
「ワハハハハ、上手いな」
いや、笑い事じゃないって
ああっ、もううみ先生の所行こっと…
「流さん!!うみ先生のブースに行きましょう!!」
「お、行く行く
どこだかわかるのか?」
「はい【つ05b】です」
「?つ?05?びー?」
「はい
つは、机の島名
05は、机の番号
bは、一つの机半分こするので
aとb表記です」
「なんか大掛かりだな~
主催者ウハウハか?」
「流さん、寝ぼけた事言ってないでください
スタッフは、ボランティアで賄っているんです
儲けてるんじゃないんですよ!!」
「ヒイィィ~すみません」
「まあ、お祭りみたいな感じですよね
ここに出るのに新作書かなきゃって気になるし
好きな作家さんに直接逢えるし
本当にスタッフの方にはお礼言っても言い足りないですよ」
「なるほどね~」
「ここを真っ直ぐ行くと…」
「あ、居た居た!!
うみさ~ん、来たよ」
「あっ、流来れた!?」
「来れた、来れた!案内係が居るからさ」
「案内係?」
「あれ?みお?どこいった?アイツ」
流さんがうみ先生と合流してる時私は……
「あの~、男前の人のお付きの人ですよね?
これ、持っていってください」
「いやっ、お付きじゃなくて…」
「ご兄妹じゃないわよね…あの人あんなに格好いいから」
「余計なお世話じゃ」
「あっ、乳母?」
「あの人より年下じゃ」
「ま、なんでもいいから「「「「これも渡して~」」」」」
「お前、何してるんだ?」
「失礼なアマゾネスに捕まった可哀想なサルだった」
「なんだそれ、面白そうな映画になりそうだな」
「いや、絶対不快ですね」
「あ、うみさんの所行くぞ」
「御意」
こうしてうみ先生のブースにようやく私もたどり着いた
「うみ先生~ようやくたどり着来ました」
「流の案内大変だったでしょ」
「……ハイ、知らない先生達が入れ替わり立ち替わり薄い本を
読んでくれと差し入れしてくれまして
何十冊頂いたのかわからないです」
「流石、流!!歩くフェロモンね」
「はい、で、今も本人に渡しづらいらしく
お付きの人にって!」
「みおさん、いつからお付きになったの?」
「知らないですよ~
もう、持ち手が肩に食い込んで
そろそろ肩がぁ~肩がぁ~です」
「痛い?」
「神輿担いでいるみたいです」
「あ~みおさん?ごめんなさい
その表現は、私わからないわ」
あ~うみ先生お嬢様だから
神輿担いだ事なかったかぁ~
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