春雷・春風

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春雷・春風

あれから宗吾さんは、流さんからのお裾分けの隠し場所を 僕たちの寝室で 芽生くんが見えないクローゼットの上の棚に置いた 「瑞樹、読みたくなったらココだからなっ♪」 って声を弾ませて僕を見てくる 僕は、恥ずかしくなって返事はしないでいたら 「ゴールデンウィークの休み 芽生がいない日一緒に見ような」 って耳元で意地悪な事を言ってきた… もう! 流さんにクレーム言いたいけど… 絶対恥ずかしくなっちゃうからな~ あっ! 洋君!!洋君と…って 洋君薄い本って知っているのかなぁ~? 「も~瑞樹~なに考えてる~? 可愛いなぁ~」 ハグをして僕にキスの雨を降らして来た ゴールデンウィークが楽しみなような 恐ろしいような複雑な気分になるけど 僕が恋い焦がれている彼には抗えない キスをして来る宗吾さんを見つめて唇を動かす あ・い・し・て・る 両手で両頬を包み込まれて見つめあった あ・い・し・て・る 宗吾さんの唇も揺れた こうして僕たちは、シーツの海で気持ちよく 溺れるほど愛を確かめ合った
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