春雷・春風

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「お兄ちゃん」 「なに芽生くん」 今日は、ゴールデンウィーク前の日曜日 気持ちがいい日曜日の昼下がり 宿題が終わり羊のメイと転がりながら 芽生くんが僕に話しかけてきた 「あのさ、ぼくのうすい本どこにあるかしらない?」 僕は、心臓が一度絶対止まった 「お兄ちゃん?」 「あっ、え?何だっけ?」 「も~お兄ちゃんだいじょうぶ? ぼくのうすい本だよ」 「……雨水?薄い? め、芽生くん!?」 僕がパニックになっているのがわかったのか 宗吾さんが割って入ってくれた 「芽生、薄い本ってどんなのだ?」 にこやかに聞いてる 僕は、心中穏やかでは無い 心臓が痛い程脈を打つ 「ん、ほら、パパもしってるよ」 う、うん そりゃ、宗吾さんがもらってきたもん 段々血の気が引くのがわかる 「パパも知ってるのか?」 宗吾さん、もう話変えましょうよ 「うん、ほら、もらったヤツだよ」 「もらったヤツ?」 あぁ、もう僕は死にそう 小学生があんな本を目にしてしまう環境 もっと僕が掃除をしっかりしていれば… 後悔だけが押し寄せる 「あ~お兄ちゃんは、しらなかったかな~」 ん?何? 「ほら、パパ。 ようちえんのおたんじょうかいのあとに いっつもうすい本もらったでしょ」 よ、幼稚園で!? 「あ、芽生!!わかったぞ!! だるまちゃんとかホットケーキ作る話とかの 薄い本!!」 「そう!あれ、よみたいなって思ってさ もう、すてちゃた?」 首をこてんと傾げる 「あるよ、ある。 本棚に入りきらないからこっちに避けてあるぞ」 そう言ってリビングの棚を開けて 芽生くんの見えない所から 薄い絵本を取り出した 僕は、血圧が急激に上がって また急激に下がったかのように脱力した 「お兄ちゃんしってたっけ? この薄い絵本 ぼくね………あった! このオバケがりょうりつくる話がスキなんだ~」 そう言ってリビングの真ん中で腹這いで絵本を読み出した 僕は、クマの縫いぐるみと 羊のメイを抱きしめ リビングに転がるように寝転んだ 「瑞樹、ちょっとビックリしたな」 と、宗吾さんが転がって僕の耳元で囁いた 「ビックリして死ぬかと思いました……」 「だよな、さっき青ざめてたし 暖めてあげようか?」 そう言われると顔が急激に暑くなる 「もう!宗吾さん!」 「あ~パパとお兄ちゃんあちちだ!! ぼくもなかまにいれてよ~」 そう言ってゴロゴロと転がりながら 僕たちの方へ寄って来た 贅沢な休日を家族で堪能している *ー*ー*ー* こんばんは みおです 子供の薄い本って何!? と、思われた方多いかな?と 思って書いておきます 福音館○店さん知ってます? ぐ○と○らとか だるまちゃ○とて○ぐちゃん とか 絵本を出している会社です で、幼稚園や保育園… 定期購読になるのかな 希望者だったり 全員購入だったり色々あると思います で、これ薄い絵本なんですよね 書店店頭に並ぶ時には、絵本の製本されるんですけどね (わかるかな?) ま、芽生くんの幼稚園は 薄い絵本購入出来てて 芽生くんも薄い本読んでいた って話でした~
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