好きな✕✕裏面 2nd

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好きな✕✕裏面 2nd

ここは、僕が勤める 加々美本社内の僕のデスク 顔を上げると12時を少し回ってた 「菅野!!お昼どうする?」 今日は、お互いデスクワークの菅野に話しかけた 「おー、もうお昼? 今日は、コンビニでおにぎり買って 会議室に行きたいんだ」 不思議な返事だった 「何かあるの?」 つい、聞いてしまった 「ん?ん?聞く? イヤイヤイヤ聞いてよ~瑞樹ちゃん」 そう言ってニヤニヤして体もクネクネしながら寄ってくる 「菅野…何だかスライムみたいだよ?」 苦笑いしながら話を聞く 「今日さ、コミュニティ放送のよつばで こもりんがさぁ~出演するんだよ!! あ、もう放送終わったから出演したんだよ~」 菅野のこんなデレデレ顔を見たことないんだけど… 「放送おわったのに?何で会議室?」 疑問をぶつけた 「あ、今さ、あらゆる放送の再配信しているスマホアプリがあって それを聴きながらご飯食べようかと思ってさ 瑞樹ちゃんも聴く?」 「うん!聴いてみたいな!!」 こうして僕たちは、お昼を持ち会議室へ向かう アプリを立ち上げ コミュニティ放送局を選ぶ 日本全国物凄い数のコミュニティ放送局がある そこから428(よつば)放送局を探しだす 再生ボタンを押すと 聞こえて来た♪愛こそすべて♪ 何だかワクワクする始まり方 菅野をチラ見すると コンビニの袋から立ててるスマホの前に お饅頭と豆大福にパックの串団子 菅野…スマホは仏様じゃないよ?とは 言えない位顔が蕩けてる こんな菅野見たこと無いよ ああ、小森君愛されているなぁ~ 胸の奥がじんわり温かくなる 僕の近しい人達の幸せも 僕の幸せになるんだなぁ~と痛感していたら ーはいっっっ一緒に食べます。 大好きな物を大好きな人と食べる しあわせですぅー …あれ?小森君 シレッと菅野との事カミングアウトしてるし 大好き・大好きってコミュニティ放送とは言え ラジオで連呼している 菅野わかっているか?と再度チラ見すると 菅野手を口に置き涙目になってる …感動してるよね? なんか僕までウルウルしてくる やっぱり幸せっていいね 「ううっ、風太、あんこ博物館行こうね 僕が連れて行くよ あんこ博物館買い取ろうか? なんならあんこ博物館に住むか?」 真面目に菅野、スマホに話かけてる 「ちょっと、菅野 あんこ博物館どこにあるか知らないけど 仕事辞められたら僕困っちゃうよ?」 そう言うと 驚いた顔をしながらこちらを見 「そっか、そうだな。 瑞樹ちゃん困っちゃうなら連れて行くだけにするよ 風太~ごめんなぁ~」 菅野は、一人芝居しているのか?って 思う位、表情変えてスマホに話かけてる 僕は、笑いが込み上げてクスクスしていたら 「一線」 って言葉が聞こえたと思ったら 番組は、放送を終えた 「菅野…今、一線って聞こえたよね?」 目を見開いて菅野の方を見たら 菅野も 「瑞樹ちゃん…風太…言ったよね? いいのかな? 俺、我慢しないでいいのかな?」 「菅野は、我慢してるの?」 率直に聞いてみた 「いや、我慢はしてないかな ただ、無垢な風太に無体な事するの 気が引けて…ね けど、同じ気持ち…でいいんだよね?」 真剣に聞いてきた 「うん 同じ気持ちだと思うよ そして、二人で歩み寄れば解決案が出て来るんじゃないかな 頑張ってね、菅野」 僕は、そう言って菅野の背中をポンと叩いた 「そうか?そうだな、瑞樹ちゃん先輩だもんな 先輩が言う事、間違いないな 瑞樹先輩!!これからも色々教えてください」 そう言って菅野は、スマホの前に置いた饅頭を半分に割りニカリ笑って差し出した 僕は、顔が真っ赤になったのだけは はっきり解った 食後のデザートになったお饅頭は あんが隙間無く詰まってて 菅野の情と一緒だなって思うと同時に 甘味の中に少し塩がいて 何故だか宗吾さんに無性に会いたくて仕方がなくなった
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