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6 それは性急すぎないか (※R18描写あり)
ところでなんだが。
「お前はなんで、そんなにナチュラルに俺を"なおくん"、なんて呼んでんの?」
墨染の、あまり肉のないシャープな頬っぺたをギリギリと抓りながら聞くと、痛いよぉ、と涙声になりながら答えた。
「だって、心の中ではもう交際歴半年なんだもん~!」
ふざけんなよ。
「勝手にスタートさせてんじゃねえ。」
俺はぺいっと墨染を離した。
告白OKしたのはちょっと早まったかもしれない。
コイツ、やっぱヤバい変質者かもしらん。
アスファルトの地面に転がった墨染を冷めた目で見下していると、それに気づいたヤツは嬉しそうに にへら、と笑った。
…この人懐こい笑顔、中学の頃に亡くなった隣の婆ちゃんちの今田さん(柴犬MIX、享年12歳)に似ている…。
「……。」
ついしゃがんで頭を撫でてしまう俺。それにキョトンとしている墨染。
それなりにデカい野郎同士が何をやっているんだろうか。
恥ずかしくなって離れようとすると、撫でていた右手を引っ張られて体勢を崩す。
「ぉわっ、」
「舐めさせて。」
「はっ?」
「お願い、ちょっとだけ舐めさせて。」
何を言ってるんだ、と頭がおっつかない俺の返事を待たず、墨染は俺の右手の手首を掴み、中指をしゃぶり出した。
舐め…舐める越えてんじゃねえか。
咄嗟に引き抜こうとしたけど、思いの外墨染の力は強くて失敗する。
そうこうしている内に墨染の舌は滑りながら指全体に絡み、唾液のねちゃつく口の中で舐め回されている。
ちゅ、じゅぷ
とまるでフェラチオでもされているようで、思わず股間に熱が集まり、腰が痺れた。
「…ン…ッ…」
鼻から甘えたような声が、漏れる。
はっとして左手で口を押さえたが、時既に遅かった…。
それに気づいた墨染は気を良くしたのか、見せつけるように俺の指を口から出して、唾液の糸を引かせながら、赤く蠢く自分の舌を見せつけた。
分厚い、その鮮やかな血色の肉は俺の指の股を舐めて、一本一本の指を舐め上げながら這い回った。
その頃には俺のペニスは黒い細身のスキニーの中で既に完勃ちで、堪えるのが苦しいくらいになっていた。
ひでぇ。何てヤツだ。
こんな、直ぐ傍に人が行き交うような路地裏で。
俺はぶるぶる震えながら浅く息をして耐えた。
こんなにねちっこい巧妙な舌技なんか、経験した事なんてない。
どうやって帰りゃいんだよ、こんな状態で…。
恨みがましく墨染を見下ろしていると、俺以上に熱に浮かされているらしい墨染の手つきが怪しく動き出した。
え、まさか…。
「…美味しい、甘いよ…あまい…かわいい、すき…。」
そう言いながら墨染は、俺のスキニーをパンツごと下ろして、ぶるんと勢い良くこんばんはしたペニスの先端を舐めた。
啄まれ、ちろちろと舌先で弄られ、裏筋をれろぉ~、と舐め上げられると、更に膨張して硬度が増した。
「ん、ンぁ…ッ」
声が抑えられない。
こんな場所で男に性器を嬲られているなんて。
そんな背徳感が快感を水増ししてるのかも。
両腕で腰を抱き寄せられ、固定されて、墨染の口いっぱいに含まれた俺のペニス。
熱いくらいの口内はそれ迄付き合ったカノジョ達より大きくて深くて、それなりにデカい筈の俺の全てが収まっているのに少し感動した。
中では舌が忙しく動き、俺の興奮を高めてくる。
頬を窄めて俺のモノをしゃぶる男の整った顔が、通りから漏れてくる明かりに時々照らされる。
伏せられていた長い睫毛が開き、そのとろりと茶色い瞳が潤みながら上目遣いに俺を見上げた時、俺は堪らなくなってその口内で達ってしまった。
ごくり、と墨染の喉が上下して俺の精子が飲み下されていくのに妙な快感を覚えてしまう。
「信じらんない…こんなに美味しいものがあるなんて…。」
白濁に唇の周りを汚して、頬を上気させた墨染は、恍惚とした表情で、それを舌で舐めとった。
それから、一滴も余さないとでもいうように、俺のペニスの先端を吸った。
「…それ、だ、め…だって……あ…!」
腰を揺らして逃れようとした俺を宥めるように、墨染は俺の剥き出しになっている尻を優しく撫でた。
くそ、やめろソレ…。
お前、ちょっとって言ったじゃん…。
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