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でも見えた、白い乳房と、赤ん坊の口に吸い込まれている乳首も、それは桜色だ。
「──そんなに一生懸命吸い付かれてさ、感じちゃう?」
恥ずかしそうにしているよう様子からもよからぬことを想像してしまう。
「え、別に……そんなこと……」
「えー俺らがやったら、女の子はみんな気持ちよさそうにしてんじゃん」
なんて経験も豊富ではわけではないんだが偉そうにいうと、じろりと下目遣いに睨まれてしまった。
ありゃ。意外。こんなとこははっきり意思表示するんだ。
「あ、ごめん、聞いちゃダメなことだったか。じゃあまた後で、終わったころに掃除に来るね」
玲さんの呻くような返事を聞いてから、部屋を後にした──怒らせちゃったな、でも、いいもの、見れたなあ。
ふわふわの白い乳房にピンクの乳首……子供産むと濃くなるとか聞くけど、これからなのかな。
☆
真夜中、赤ん坊の声がする。
瑠唯くん、泣いてるなあ、と思っていた。その声がわずかに大きくなって、遠のいていく。
一階に行ったんだ、玲さんかな、ミルクでも飲ませるのかな。手伝いをしようと俺もベッドを抜け出した。
キッチンを覗いたが、残念ながらいたのは兄だった。
「おう、どうした」
泣く瑠唯くんを抱きながら兄が微笑む、水を飲みに来たと誤魔化してもいいが、二階にもウォーターサーバーがある、そんな言い訳は通じない。
「うん、なんか手伝えることあるかなって思って」
玲さんじゃなかったからって帰るわけにいかないので、正直に言った。
「おう、助かるわ。瑠唯、抱っこしてて」
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