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──え、ちょい待て。どゆこと?
……ははーん、兄は結婚式を挙げなかった、それって実は『結婚していない』んじゃないか?
兄たちが婚姻届を出しに行ったのを見たわけでもない、式を挙げないのはそもそも結婚をしていないから──実は玲さんと保晴さんが夫婦だっていうなら、結婚はできないもんな。
玲さんのお母さんが亡くなって保晴さんが引き取った、その引き取ったってのが結婚だったなんてことは──ありうる。結婚できるのは18歳とはいえ別に事実婚でも構わない、なるほどなるほど、写真の玲さんもそれくらいの年齢かもしれない。中三でお母さんが亡くなったっていってた、実はその頃から夫婦としての関係があったのかもしれない、わお、それは世間に公表できないな!
そこで、兄が隠れ蓑になった!
兄は金に困ってた、金がないっていつも帰ってこなかった。そもそもずっと東京で暮らしていると思ったのに、玲さんと結婚したからとこの家に転がり込んで……ああ、保晴さんが金銭面の援助する代わりに、兄に結婚したフリを頼んだ、なんてことは? 実は瑠唯くんは保晴さんの子かもしれない! え、でももう、玲さんも結婚できる年齢になったのに、どうして隠す? 世間体? どう見ても父娘の年歳差の保晴さんと玲さんじゃ夫婦というにはきついもんな、もし中学生に手を出したなんて言われたら肩身も狭い。
うちの親まで巻き込んで盛大な嘘をついたのは、援助は医者になるまでといっていた、兄にしても援助は助かる、のちのちは医者になった兄が恩返しをする約束でもしているのか? 保晴さんもいってしまえば老い先が長くない、その時医者になった兄が玲さんたちを援助すれば──。
ほっほ~、なるほどね~。
んだよ、そんな遠回りなことしなくても、俺が一生面倒見てやるよ!
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