15人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
素敵な体調の崩し方
私はあまりにも美しい景色を見ていた。
20代で病気になってしまった私は、発端となる原因が分かっていながら、半年以上親に黙っていた。
ある日兄が言った。
「もうそろそろお父さん、お母さんに言ってみないか?」と。
私は兄が大好きで、唯一何でも話していた。
兄は続けた。
「今、不自由なく暮らせてるのは、お父さんが一生懸命働いてるからだよ。もし自分が倒れてしまったら、どう家族を養うか。常にそんなプレッシャーを持ってる。そのお父さんを支えて居るお母さんはもっと凄いと思う。」
それを言われた私は初めて親を裏切っている事に気が付いた。
病気になった原因が素敵過ぎて、思い出にずっと浸っていた。
だから決心したんだ。
言わなきゃ…
素敵な理由なのだから。
最初のコメントを投稿しよう!